彼の岸

彼岸も過ぎて、すっかり秋めいてきましたね。

やっと過ごしやすくなってきた、、と誰もが一息つくこの季節。

先日、インスタのDMに珍しい方からメッセージが届いていました。

送り主は、20年以上前に亡くなった父がお世話になっていた病院で看護師をされていた方。

ふと、娘さんに私がかつて所属していたバンドのCDを聞かせてあげようと思い出し、検索してたどり着いてくれた模様。

私の父は、当時かなり珍しい症例とされていた小腸平滑筋肉腫という癌で(おそらく現在でも症例の少ない癌かと思われます)、
何度も入退院や手術を繰り返し、長い闘病生活を送っていました。

その頃私はちょうどバンドがデビューを控えていて、ライブやリハの合間を縫って、母と交代で泊まり込みで看病をする毎日。

当時の看護師さんたちにいつも励ましの言葉をかけてもらいながら、父のお世話を(といっても実際のお世話は看護師さんたちがほとんどやってくださっていたのだけれど)していました。

今回頂いたそのメールには、

「お父様のためにお二人が本当に頑張っていたことを記憶しております。
今も看護師をしておりますが、忘れられないご家族です。これからもがんばってください。」

という温かいメッセージが記されていて、
20年以上も経ち、大きな病院で日々目まぐるしくたくさんの患者さんたちと向き合ってこられたであろう方が
今でも私たちを覚えていてくださったのは、正直驚きでもあり、嬉しくもありました。

母にも早速伝えると、とても喜んでいて、何より一番大変だったであろう天国の父の魂も、少し報われたような気がしています。

うちの父はごく一般のサラリーマンでしたが、こうして年に一度くらいのペースで今でも父に向けて、意外なところからメッセージが届くたび、
父が今でも誰かの心の中に生きていてくれていることに心が温かくなります。

最期まで生きることを諦めなかったあの背中に今も励まされているのは、私と母だけじゃないんだな、と。

彼の岸から見守っててくれてるのかしら?(とっくに生まれ変わってそうだけど)

お父さん、私は今日も生きてるよん!

ご自愛

6月、7月、8月と気がつけば夏もあっという間に後半戦。

北海道から関東に越してきてずいぶんと経ちますが、正直夏の暑さに慣れたことは一度もありません。

比例してどんどん気温も高くなる故、不眠気味、胃腸も弱り気味になっていつも毎夏は憂鬱気味。

今年も夏が始まる前から「酷暑」と謳われていた通りの凄まじい温度の夏になっていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

私はといえば、、今年も例年通りの調子の悪い夏を予想していたのですが、、

どっこい今の所近年稀に見る体調の良さを保っております!!これは奇跡!

と言いますのも、

今年は夏が始まったあたりから「とにかく無理をしない!」と心に決め、疲れたらなるべくすぐに疲れを取ることに撤し、

いままで蔑ろにしていた自分の心と身体をいつもより大事に、そして注意深く過ごしている賜物かと思われ。。

今年の上旬に健康診断を一通り受け、特に異常はなかったのですが、若干貧血気味とのことだったので鉄と亜鉛のサプリを摂るようにしたり、

昨年から習慣になっている朝の散歩も夏は気温によって行けない日もあるのですが、続けているし、

余裕があれば軽く朝ストレッチをしたり、瞑想をしたり、

あとは友達から教えていただいた自家製のフルーツ酢に今夏ハマり、風呂上がりなどに炭酸で割って飲んでいます。

その他にも明らかに野菜不足なので余裕があるときはスムージーを作って飲んだり、、

なんていうささやかなことなんですが、そんな一つ一つがおそらく少しずつ功を奏しているのではと。。

ポイントは全て「余裕がある」時にする。ということです。

今年から新たな挑戦も増えたりで、生活が不規則なのは変わらずなので、絶対にこれを続ける!という風には決めず、

気力がある時だけ。というスタンスでいる方が気楽に続けられる。

基本ズボラで面倒くさがりの私ですが、少し意識をしてみるだけで変わってくるから身体は正直です。

他人に気を配ることも大事ですが、そうするためにもまずは自分を労わるところから。

ご自愛の夏、引き続き徹します。

みなさんもご自愛を。

心地の良い夏を過ごそうね♪

近況

5月も半ばを過ぎましたが、皆様いかがお過ごしですか?
今年の5月はもう夏のような暑さもあって、先が若干思いやられますが、スタミナのあるものなどを食べて、暑さに負けない体力をつけていきたいものです。

4月は、新しい世界の人たちとお会いする機会がたくさんある賑やかな月でした。

去年の4月から担当させていただいている帯広のコミュニティFM、「FM JAGA」での番組が丸1年を迎えました。
聞いていただけた方もいらっしゃるでしょうか?
拙い私のおしゃべりですが、月に一度の大澤くんとディレクターの渡辺さんとの収録が部活のような、私にとってはちょっとしたオアシスとなりつつあります。

4月上旬に、初めて帯広のFMJAGAのスタジオを訪問させていただき、ゲストで生番組にも出演させていただきました。
十勝毎日新聞のビルの中に入っているとても立派なスタジオ。

その後十勝でラジオの取材やお墓参りのために数日滞在したのですが、その際に会った地元の方々は皆様JAGAをご存知で、地元に根ざし、とても愛されているラジオ局なのだなぁ、とひしひしと感じました。

生まれた土地で、今というタイミングでレギュラー番組を持たせていただくというのも、なんだか不思議な感覚で、嬉しい機会に恵まれ、心より感謝しております。

私はとりわけお喋りが上手ではないので、お聞き苦しいところも多々あるとは思うのですが、大澤くんと渡辺Dと共に、これからも素直なラジオ(笑)を発信して行きたいと思っていますので、今後ともゆるりとお付き合い頂けたら嬉しいです。
音楽だけに括らず、「北海道」という共通項を持ち、独自の活動をしていらっしゃる様々なゲストの方々にで出ていたけるような番組になっていくと面白いなぁと思っていますので、よろしくお願いします。
ゲストに出たい!という逆オファーもお待ちしてますよ。

コーラスとしては、平岡恵子ちゃん率いる「Warm up」や、Salyu×Salyuでのプラネタリウムライブ、など、内容の濃いボリューミーなライブに出演させていただき、楽し嬉しかったです!

5月には誕生日を迎えまして、いつもの店で気のおけない友人たちと乾杯を。
今年は一人でゆっくり温泉とかもいいかなぁ、なんて思ってもいたのですが、
友人たちの気遣いのおかげで楽しい1日に。
見事に酔っ払いました。
朝起きると、いただいたお花が入っていた袋の中に全く記憶にないどん兵衛とシュークリームが・・・
(どうやら帰りがけにみんなでコンビニ行った際に買ってもらったようです。。)
自分の食い意地にあっぱれ。

新しい歳の抱負などは特にありませんが、
できるだけ飾らず、急がず、強がらず。
素直に生きてゆきたいです。

ひょんなことから、すでに新しいチャレンジが少し始まっていて、それが何に繋がってゆくのか、続いてゆくのか、
まだはっきり自分にもわからないのですが、1年後には答え合わせできているといいな。

大澤くんとのリリースの3曲目の作業も大詰め。
今年の初めに提案したリリースは、大澤くんをはじめ、参加していただいたミュージシャンや各所の皆様の多大なお力のおかげでなんとかコンプリートできそうです。

以前、コロナ禍に「I’m here」という曲を配信した際、SNSでいただいたコメントの中に、
「歌い続けて、新しい曲を聞かせてくれた事が本当に嬉しいです。」というお言葉をいただいたことがありまして。
のらりくらりな私にも、このように歌を待っていてくださる方がどこかにいるんだな、、と、とても嬉しく、ずっと心に残っています。
勇気の湧くお言葉を、ありがとう。

一連のコロナの自粛ムードにも出口が見えてきた頃、
今までやり残していたような気がすることをとりあえず形にしていきたい。
と、取り掛かり始めた今回のリリースでしたが、手をつけてみると、あれもあったこれもあった、で、他にも候補曲が出てきたり、、
どこまでできるかはわからないけれど、これからもマイペースに進めていければと思います。
どこかで聞いてくださる誰かのために。そして何より自分のために。

さて、5月はどんな1ヶ月になるかなー
ってもう半分過ぎてるけど・・

皆さんにとって健やかで豊かな時間となりますよう。

追伸:
抱負
ないって言ったけど、
新たな歳は旅をして、色んな人や景色に会いたいです。

忘れっぽい天使

パウル・クレーという画家が好きなのですが、中でも好きなのが「忘れっぽい天使」という作品。
忘れがちな、でもなく、忘れやすい、でもなく、
「忘れっぽい」と和訳した方のセンスが素晴らしいなと思います。

人間は忘れてゆく生き物。
この絵でいう天使とは人間のこと?
もしくは、願いを忘れたフリをして、
人間を試すようないたずらをする、時に残酷な天使の気まぐれを表したタイトルなのでしょうか。

絵の中の天使は、なんとなく微笑んでるようにも、
敬虔な祈りを捧げているようにも見え、
いずれにしても、そこには大きな「赦し」が寄り添っている気がするのです。

この絵は晩年期のクレーが不自由になった手で書いたもの。

クレーの絵にはカラフルで緻密な絵もたくさんあるけれど、
その中でも、削ぎ落とされた果てにある祈りのような天使シリーズが、
私はとても好きです。

話は変わりますが、、
そんな見えない天使たちの仕業かどうかは定かではないけれど、
生きていると、思いもよらないところから、
さりげない優しさやメッセージに気づくことがありますよね。

昨年札幌帰省中に偶然東京から来ていた先輩との会話の中で、
先輩がかけてくれた何気ない一言が嬉しかったことを
何故か今朝、じんわりと思い出していました。
側から見たら多分なんてことない会話。
先輩も言葉に特に深い意味はなかったのかもしれないけれど、
なぜだかその時の私にはグッとくるものがありまして。

そういう瞬間が人生には何度かあります。

人間って一つの思考に囚われている時は、目に見えないギフトを素通りしがち。

そんな勿体ないことがないように、
かけがえのない瞬間をキャッチできる心の隙間をなるべく空けておきたいなぁ、、と思います。
なかなか難しいけどねー。

こんなふうに↓

まえがき

2022年の後書きと2023年の前書き。

昨年は、正直申しますと、思わぬところから自分ととことん向き合うことになった、なかなかヘビーな一年でした。
その分、身近な人たちの優しさがどれだけ有難いことか、改めて感謝する時間でもありました。

おかげさまで、色んな意味でようやくニュートラルな「0」に心が戻りつつあります。

お仕事では、コロナ禍の影響が未だ続く中でも作詞で参加させていただいた曲のリリースや、生まれ故郷の十勝地域でのラジオ放送も始まり、コーラスでも素敵なアーティストの皆様とご一緒させていただく機会もあったりで、とても嬉しかったです。

2023年は、私の中で、数年かけて静かに大きな変化へと繋がっていく年になる気がしています。

まずは基本の「基」を整えるところから。

今年も色々あるとは思うけど、歩んでいこう。

何より、新しい歳、ここを覗いてくださったみなさんに、健やかで、優しくて、嬉しい時間がたくさん訪れますように。
良い年にしましょ。

2023年1月1日